「BTSを読む」「BTSとARMY」を読みました - 番外編

黒鳥だ!ダンサーだ!いや、BTSだ! 

 私、今回「BTSを読む」「BTSとARMY」を通してBTSのこれまでの軌跡を読み、彼らが楽曲のタイトルにも使用した、あの"鳥"が頭に浮かびました。

 

Black Swan。

youtu.be

 実際は、ダンサーのマーサ・グレアムの名言から着想を得ているとのことですが、こちら↓が頭に浮かんだ人もいるのではないでしょうか。

 Black Swanは「Swan(白鳥)は白色一択っしょ」と思い込んでたらオーストラリアで黒鳥が発見されて大きな話題になったという話から取られた「予測できない極端な現象が発生し、その現象が人々に多大な影響を与えること」という経済理論の用語でもあります。

https://www.nomura.co.jp/terms/japan/hu/black_swan.html

 ちなみにウィキペディア他、この経済用語は「金融危機と自然災害をよく表している」とネガティブな例が多く取り上げられていますが、この理論を提唱したナシーム・ニコラス・タレブ氏は「Googleの成功だって”Black Swan”だ」と自らの本で述べており、ポジティブネガティブ関係なく予測不可能な現象全体を意味しています。

俺の胸をもっと震え上がらなかったら
もしかしたら こうやって一度死ぬんだろうな多分
だけどもしその瞬間が今だとしたら
まさに今なのか

 私は書籍「Black Swan」の読者でもあるので、この曲を初めて聴いて翻訳された歌詞を読んだ時、韓国の小さな事務所から羽ばたきbillboard chartのてっぺんを取った=”Black Swan”となった自分自身についての心情を歌っているのだと捉えていました。

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 表紙を飾ったEsquire誌にも書かれていた「World domintation wasn't our plan(世界制覇するなんて計画はなかった)」というコメントや、「BTSとARMY」を通して知った売れ始めたころにアンチから受けた攻撃、それにスターになって普通の生活が出来なくなった戸惑いを吐露する話は、逐一BTSの言動を追っていない私も耳にしたことがあります。

 これらのエピソードに加え、歌詞や少し悲しさも感じるようなメロディに、自分の考えが重なってしまった様に思います。 (そもそもボーカルグループの楽曲でここまで抽象的で詩的なのも非常に珍しい。) 結局、ネタ元(言い方)は別でしたが、それでも自分の考えを捨て切れなかったので、この記事に残していきます。

 書籍の「Black Swan」は、「人間は起こったことの理由付けを単純化し、過小評価したことや表現できない事実は見落とすし、そんな単純化された過去の記録や事例からしか予測できない。」という"この世の不確実性"について(ゴツい上下巻にわたって延々と)書かれています。

 私が興味を持ち始めた時には、既に高く羽ばたいていた7羽の美しき黒鳥。

 もしかしたら、まだまだ"起きるべくして起きた"理由以外に、"過小評価したことや表現できない事実"という小さな種が存在し、それが実ってより長く飛び続けるかもしれない。私はそれを期待したい。